救急車が来なかった日――命をつなぐはずの判断ミスに、看護師として心が痛む

「また、間に合わなかったのか――」

そんな思いが胸に広がったのは、ニュースで「昨年10月15日午後 救急車『出動せず』男性死亡 静岡、緊急性誤判断か」という見出しを目にしたときでした。

看護師として働く皆さんも、あのニュースに衝撃を受けたのではないでしょうか。

患者さんの訴えが見過ごされ、救急搬送が遅れ、命が失われた…。

それは、私たち医療従事者にとって他人事ではなく、明日、自分の職場でも起こりうる現実です。

この出来事をただの“ニュース”として流さず、現場の人間として、心を寄せ、考え、行動につなげていくことが求められていると感じています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f86e02b94b03df09cbc1e3157f02752cc2edb2e5

目次

緊急性の誤判断がもたらしたものは「死」だった

結論:救急の判断ミスは、命に直結します。

昨年10月15日午後、静岡県で男性が「2日間動けない」と119番通報しました。
しかし通信指令員は「緊急性がない」と判断。救急車は出動せず、約5時間後に容体が悪化。
心肺停止の状態で搬送され、命を落としました。

私たちも現場で「今すぐ来てほしい」という患者さんに対応する中で、
症状の伝え方やタイミング次第で「搬送対象外」と判断される場面に遭遇することがあります。
今回のように、患者の声が届かなかったことで、命が失われてしまったことが非常に悔やまれます。

判断ミスは「仕方ない」では済まされません。
それが人の命に関わる以上、私たち一人ひとりが意識を持ち続けなければなりません。

看護師から見た救急要請の壁

結論:「救急車を呼ぶべきか」の壁は、私たち医療従事者にも大きなプレッシャーです。

症状をうまく伝えられない通報者が多く、判断材料が乏しい中で、
通信指令員は重大な決断を下さなければなりません。
また、現場では「過剰出動」を避けるべきという空気も根強くあります。

  • 家族から「サイレンを鳴らさずに来て」と要望があったため緊急性を過小評価
  • 高齢者の症状があいまいで緊急性が伝わらず判断が遅れた
  • 指令室が混雑し判断が後手に回った

SNSでも「呼んだのに断られた」「自分で病院まで運んだ」という声が多数あり、
不安を抱える人は少なくありません。

この“判断の壁”に向き合うには、現場の私たち看護師の経験が不可欠です。

「救急車が来ない」という現実が私たちに与える影響

結論:救急車が来ないという現実は、命だけでなく信頼関係にも大きな影響を及ぼします。

一度失われた信頼は、なかなか取り戻せません。
救急搬送が遅れたことによって、
「また呼んでも来ないのではないか」という不安が広がっています。

  • 患者:「前に断られたから、今回は遠慮した」
  • 家族:「早く来てくれていれば…」と後悔
  • 看護師:「もっと症状を伝えておけば」と悔やむ

このような“心の後悔”が、現場に重くのしかかっています。

「救急車が来ない」経験は、命だけでなく“信頼”をも失わせるものです。

私たち看護師ができることは確かにある

結論:看護師としてできる行動が、命をつなぐことにつながります。

私たちは患者さんと日常的に接する立場だからこそ、
緊急性を判断しやすく、情報を的確に伝える力もあります。

  • 患者・家族に「迷ったら救急車を」と声をかける
  • 緊急性を感じたら、ためらわず通報を勧める
  • スタッフ間で「通報の伝え方」などを共有する
  • SNSや地域の場で啓発活動を行う

実際、

「看護師さんの判断で助かった」

「アドバイスがなければ通報をためらっていた」

という口コミが、患者や家族から寄せられています。

小さな声かけや判断が、大きな命を救う一歩になります。

このニュースを見た私たちの胸の内

「もし、自分があの場にいたら、助けられただろうか――」
そんな思いが、私たち看護師の胸を締め付けます。

これは決して他人事ではありません。
私たちが見ている現場で、今日も明日も起こりうる問題です。

判断ミスをゼロにすることは難しくても、
「命の可能性」を見逃さない姿勢を持ち続けることはできます。

これからも、一人でも多くの命を守るために、
私たち看護師にできることを、共に考え、行動していきましょう。

二度と、誰かの命が「判断ミス」で奪われないように。

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